2024 7.5 fri., 7.6 sat., 7.7 sun.
Bluey from INCOGNITO presents CITRUS SUN "ANACONGA"
artist BLUEY , CITRUS SUN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブルーイいわく、「インコグニートの弟バンド」。4年ぶりの最新作『Anaconga』も大好評の、シトラス・サンの来日公演が昨日から始まりました。場内は文字通りの超満員、会心のプレイに熱狂的な拍手や声援が巻き起こり、彼らの人気がよりいっそう定着したことがうかがえます。
シトラス・サンのレパートリーは、ブルーイがリスペクトしてやまないジャズ・ファンク~ポップス系カヴァー曲と、入魂のオリジナル・ナンバーの二部構成。編成はインコグニートよりシンプルで、各楽器奏者のソロ・プレイにも大きく光が当たります。オープニングは『Anaconga』から「Mystic Brew」。オルガン奏者ロニー・フォスターが1970年代に発表したナンバーですが、グラハム・ハーヴィーのフェンダー・ローズとケヴィン・ロビンソンのフリューゲルホーンを生かしたシトラス・サン独自のアレンジは実に爽やかで、この曲から新たな魅力を引き出していました。続いて登場したのは、ヴォーカリストのジョイ・ローズ。ボビー・コールドウェルの「Down For The Third Time」、エリカ・バドゥの「Honey」など『Anaconga』で取り上げられたナンバーを快唱し、ブルーイとチャーリー・アレンのツイン・ギターも絶妙なコード・カッティングやオブリガートで歌姫を盛り立てます。
「次はマッシュアップをお届けしよう。ひとつはフレディ・ハバード、もうひとつはクリストファー・クロスのヴァージョンだ」というブルーイのMCにつづいて披露されたのは、「Ride Like The Wind」。ジェイミー・カラムやバーシアのレコーディングにも参加しているポール・ブースが、実に逞しいテナー・サックス演奏を聴かせてくれました。「Cooking With Walter」はブルーイがテレビドラマ「Breaking Bad」にインスパイアされて書いたインストゥルメンタル・ナンバー。各人が快調なプレイを披露し、早くもプログラムは後半戦に突入です。
ブルーイがノース・ロンドンでレコード店を経営していた頃に入手して大きな感銘を受けたという日野皓正のアルバム『City Connection』からは、「Send Me Your Feelings」(作詞・作曲は、ロバータ・フラックやロイ・エアーズとも共演したハリー・ウィテカー)を、このうえなくメロウに解釈。そこから、いまやシトラス・サンのライヴに欠かせない一曲となった「Expansions」へと移行します。ロニー・リストン・スミスのオリジナル・ヴァージョンではセシル・マクビーがアコースティック・ベースで奏でていたイントロのフレーズを、フランシス・ヒルトンがエレクトリック・ベースで実にタイトにプレイして、フランチェスコ・メンドリアのドラムスとジョアン・カエタノのパーカッションがグルーヴの渦を描きます。
歴史的な楽曲に自分たちなりの解釈を施して、今を生きる音楽ファンに伝えたいというブルーイの気概がひしひしと伝わってくるステージでした。全公演ソールド・アウトですが、キャンセルが出ることもありますので、お電話でお問い合わせください。公演は7日まで続きます。
(原田 2024 7.6)
Photo by Makoto Ebi
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【LIVE INFORMATION】
Bluey from INCOGNITO presents CITRUS SUN
"ANACONGA"
2024 7.5 fri., 7.6 sat., 7.7 sun. ブルーノート東京
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